防災にカセットコンロは必要?オール電化じゃなくても備えたい熱源とボンベの目安
非常食と水があっても、電気やガスが止まると「温める」「お湯を沸かす」「調理する」ができなくなることがあります。オール電化はもちろん、ガス住宅でも供給停止は起こりえます。だから防災では、普段の調理設備とは別に、カセットコンロのような熱源を1つ持つことを考えます。
オール電化は、停電すると調理手段がまとめて止まりやすい
IHクッキングヒーター、電子レンジ、電気ケトル、炊飯器。オール電化住宅では、普段の調理を電気にまとめている家庭が多くなります。
停電すると、それらが同時に使えなくなる可能性があります。
電気が止まると一気に弱い
IH・電子レンジ・ケトル・炊飯器など、主要な調理手段が同時に使えなくなる可能性があります。
ガスが止まる可能性もある
ガスコンロがある家でも、災害時に供給が停止すれば別の熱源が必要になります。
つまり「オール電化だから必要」「ガスだから不要」ではなく、普段使っている熱源とは違う系統を残せているかが判断ポイントです。
まず1台なら、カセットコンロが使いやすい
農林水産省は、災害時の熱源としてカセットコンロとカセットボンベの備蓄を案内しています。
お湯を沸かせれば、レトルト食品、カップ麺、袋麺、フリーズドライ、パックご飯の湯せんなど、食べられる物が一気に増えます。
お湯を沸かす
飲み物、フリーズドライ、カップ麺など。
湯せんする
レトルトやパックご飯など。
鍋で調理する
麺、スープ、鍋物、簡単な煮炊き。
普段も使う
鍋料理などで定期的に使えば、点火や火力調整にも慣れられます。
カセットボンベは何本必要?
農林水産省の目安は、1人1週間あたり約6本です。
ただし実際の消費量は、火力、調理時間、料理の内容、気温などで変わります。家族分を一つの鍋でまとめて作る場合もあるため、単純な本数だけで安心せず、普段の鍋料理で1本がどれくらい持つかを知っておくと現実的です。
まず備蓄量を考える基準として使う。
気温20〜25℃でのメーカー実測値。実使用では火力・環境で変わります。
防災専用品より、普段使える標準モデルでもいい
防災用だから特別なカセットコンロでなければいけないわけではありません。
今回の代表例として、イワタニ「カセットフー 達人スリムV」を置きます。最大発熱量3.4kW、9号土鍋まで対応するベーシックな家庭用モデルです。
防災専用品としてしまい込むより、冬の鍋などで普段から使える方が、点火できるか、ボンベが古くないか、本体に異常がないかを確認しやすくなります。
普段使いしながら備える例|イワタニ カセットフー 達人スリムV
リンク先はケース付き販売セットです。記事では本体モデル「達人スリムV」の公式仕様を基準にしています。
「魔法のかまどごはん」は、カセットコンロの代わりではない
タイガー魔法瓶の「魔法のかまどごはん」は、電気やガスを使わず、新聞紙を燃料に白米1〜5合を炊ける製品です。
ただし、カセットコンロのように家の中で鍋やケトルを幅広く使うための製品ではありません。
汎用熱源
お湯、湯せん、麺、鍋など幅広く使える。家の中でも取扱説明書に従って使用する。
別系統の炊飯手段
電気・ガス不要。新聞紙でご飯を炊ける。屋内・テント内・車内など換気の悪い場所では使用できません。
つまり、魔法のかまどごはんは「カセットコンロがいらなくなる製品」ではなく、「別の燃料で炊飯できる手段を追加する製品」です。
魔法のかまどごはんまで備える意味が出る人
検討する意味がある
カセットボンベ以外の燃料でも炊飯できる状態を作りたい。庭や屋外で安全に使える環境がある。普段からキャンプ等でも使いたい。
まずカセットコンロで十分
必要なのはお湯・湯せん・簡単な調理。屋外で使う場所がない。防災用品を増やしすぎたくない。
電気・ガスとは別の炊飯手段まで持つなら
新聞紙1部(3合なら36ページ)で炊飯でき、白米は1〜5合。収納時は高さ約18cmです。使用場所には制約があるため、自宅で実際に使える屋外スペースがあるかを先に確認します。
普段から一度使っておく
防災用の熱源は、買って収納しただけでは不十分です。
カセットコンロなら鍋料理で一度使い、点火方法・火力調整・ボンベ交換を確認する。魔法のかまどごはんなら、屋外で実際に新聞紙を使って炊飯してみる。
非常時に初めて説明書を読む状態を避けるだけでも、使える備えになります。
安全面で外せないこと
IHの上に置かない
カセットコンロやボンベをIHの上で使用・保管しない。誤ってIHが作動すると加熱され、事故につながるおそれがあります。
古いボンベを放置しない
製造から約7年が使い切りの目安。さびや変形がある物は使用しない。
古いコンロも点検する
製造後約10年を目安に買い替えを検討します。
魔法のかまどは屋外で
屋内・テント内・車内など換気の悪い場所では使用しません。
最後の判断:どこまで熱源を備える?
オール電化 → 停電時の別熱源として、まずカセットコンロ+ボンベを備える。
ガスコンロの家 → ガス供給停止に備えて、別系統としてカセットコンロを持つ意味がある。
お湯・湯せん・簡単な調理ができればいい → カセットコンロで十分。
普段も鍋などで使いたい → 防災専用品ではなく、家庭用の標準モデルを普段使いする。
ボンベ以外の燃料でもご飯を炊けるようにしたい → 屋外で使える環境があるなら魔法のかまどごはんを追加。
屋外で火を使える場所がない → 魔法のかまどごはんは無理に買わず、カセットコンロと火を使わない食品を厚くする。
防災の熱源は「高機能な物を増やす」より、普段の電気・ガスが止まっても、温める手段が1つ残る状態を作ることが先です。多くの家庭はまずカセットコンロ。さらに燃料を分散したい家庭だけ、屋外用の別手段まで足せば十分です。
情報源・確認日
最終確認:2026年9月29日。火気を扱う製品は、必ず各製品の取扱説明書・使用場所・対応ボンベ等の条件に従って使用してください。